小論文例文集

このページは中高生のための小論文の例文集です。

 

6回目は、「不登校」です。

 

問題 

「不登校」の原因や、その問題解決について考察しなさい。(600字〜800字)

 

序論

[一段落目] 話題の導入&問題提起

 

本論

[二段落目] 対立する意見への譲歩&自分の意見の提示

 

[三段落目] 意見の展開(自説の根拠・理由)

 

結論

[四段落目] 文章の締め・まとめ

  

 

例文1 <不登校 肯定派>

 

学校に行きたくなくなり、行かなくなった子を不登校児という。その原因として真っ先に挙げられるのは、「いじめ」や失恋などによる人間関係の悪化だろう。次は教師との関係悪化だろうか。他には、学業の挫折などもあるだろう。でも、本当にこれらの理由で不登校児たちは学校に行かなくなるのだろうか。

 

確かに、人間関係の悪化した環境には身を置いていたくないし、完全にやる気がなくなった状態で勉強を続けることは無理だと思う。しかし、実際にそういう問題に突き当たっている人たちがみな不登校になるのかと言うとそうでもない。私も学校に行きたくなくなった時期はあったが、通い続けられた。逆に、そういう問題に関係なく不登校になる人も多いらしい。 

 

私の友達にも、学校へ来なくなった子がいる。特に「いじめ」があったわけではない。土日なると友達と一緒にショッピングへ行ったりして、友人関係は学校に来ていた時と同じように続いていた。引きこもりではなく、塾に通って勉強も続けていた。でも、学校へ行こうとするとめまいがしたり、吐き気がしたり、お腹が下ったりするそうだ。彼女と、「いじめ」を理由に自殺した子たちのニュースを比べて思うのは、どうして後者は不登校にならなかったのか、ということだ。無理して学校へ行っていじめられ、自殺と言う更に無理なことを自分へ強制できたのに、なぜか「学校に行かない」という簡単な選択肢は取らない。不登校に、「いじめ」などの明確な原因を求めることはできないのではないだろうか。人の心理は微妙で複雑だ。不登校の子を無理に学校ヘ来させることは肉体的・物理的に無理だし、「いじめ」に苦しんでいる子にはむしろ不登校を提案した方がいいような気もする。

 

学校へ来なくても勉強はできる。今後、学校へ通わない人たちの学習や大学受験をサポートするシステムが、もっと必要になっていくと思う。

 

 

例文2<不登校 否定派>

 

最近いじめなどの理由で不登校になる人たちに対し、いじめを苦にして自殺するくらいなら不登校を選択した方が良い、という考え方が増えてきているそうです。また、いじめや先生との関係悪化などではなく、特に理由はないのに学校に行こうとすると頭痛やめまいなどの心身症状が出ていけなくなったり、なんとなく無気力になって行けなかったりと、なんだかよく分からない理由で不登校になる人もかなり増えているようです。

 

確かに、いじめを苦にして自殺するなら不登校になった方がいいに決まっています。また、学校に来ると心身に問題が発生してしまい保健室にこもってしまう学校アレルギーのような人の場合、無理に学校で授業を受けさせることが物理的に不可能なわけですから、不登校は仕方なしと考えるのはもっともだと思います。しかし、不登校状態をそのままで良いと認めてしまうと、引きこもりのまま社会に出ることなく大人になってしまうという、とても怖い未来が大いに予想されます。学校には行く気になれないけど、別の何かにやる気を見出せるような人なら、勉強はフリースクールとか通信とかで補うだけでよいと思いますが、そうでないならやはり学校という社会空間に復帰できた方がいいのではないでしょうか。

 

とは言え、いじめや学校アレルギーをすぐに改善できるとも思えません。転校した先でも同じ状況に直面し、何度も転校を繰り返した人の話を聞いたこともありますが、避けられない不登校というのは確実にあります。ですから、インターネット上のバーチャルスクールのように在宅通学できる学校が増えて、リアルの学校へ行けない人たちが引きこもりにならず、将来社会に出ていける道を開いていくことが必要だと思います。実際そういう学校は今後増えていくと思います。ただ、そうなると将来の就職活動では、リアル学校を卒業した層と、ネット学校を卒業した層との間に、一定の格差が生まれると思いますし、その点でリアル学校に対する評価が再び上がるような気がします。

 

不登校の増加は仕方ないことかもしれないので、ネット学校を増やして対処していき、その一方でリアル学校を再評価していく考え方が広まっていけばいいと僕は思います。

 

 

例文1 <不登校 肯定派>

 

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例文2<不登校 否定派>

 

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