小論文例文集

このページは中高生のための小論文の例文集です。

 

16回目は、「過労死」です。

 

問題 

日本人の働きすぎは他の先進国にも有名で、日本の過労死は≪karoshi≫として知られていますが。従来の日本人の働き方についてについて、賛成か反対か、自分の意見を書きなさい。(1000字程度)

 

参考記事①

電通の女性社員を労災認定=入社9カ月、過労で自殺

 

参考記事②

「なぜ日本人は過労死するほど働くのか」 海外には異質に映る残業文化 - まぐまぐニュース! (mag2.com)

 

参考記事③

電通「過労死」問題は社長辞任で解決できない | 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)

 

参考記事➃

電通、社長のコメント

 

序論

[一段落目] 過労死についての話題の要約

 

本論

[二段落目] 対立する意見への譲歩&自分の意見の提示

 

[三段落目] 意見の展開(自説の根拠・理由)

 

結論

[四段落目] 文章の締め・まとめ

  

 

例文1 <意見① ドロップアウト容認

 

大手広告代理店電通の新入社員が過労で自殺した。これに対し電通では社長が責任を取って辞任し、会社としても残業などの労働時間を減らす改革に取り組んでいくそうだ。残業が厳しく制限されている欧米では、働きすぎで死ぬなんていうのはありえない現象で、「Karoshi」という言葉は翻訳不能な日本語として有名らしい。日本では、週に何十時間も残業するのが当たり前で、苦しさに耐えられず自殺する人がたくさんいる。

 

確かに、日本人の勤勉は世界に誇れる文化なのかもしれない。商品やサービスの品質の良さや、期限をしっかり守る誠実さが、多くの時間外労働によって維持されているのだとしたら、それを欧米の国々が批判したりするのはなんだか納得できない。外国の品質の悪い製品や、期限を守らない働き方は、むしろ反省してもらいたいし、日本人を真似するべきだと思ってしまう。しかし、そうした勤勉さが人々を過労死に追い込んでいるのだとしたら、日本人はもっと仕事の手を抜くことも必要なのかもしれない。少なくとも、死を選ぶほどに追いつめられた時は、周囲の迷惑など一切無視して全て無責任に投げ出してしまうべきだと思う。

 

よくブラック企業という言葉を聞く。激しいパワハラでサービス残業を強要するが、コスト削減のため報酬は少ない。そんな職場でもやめられないのはなぜだろう。もちろん、経済的理由で仕事をやめられない人もたくさんいるとは思うが、それよりも、もっと精神的なことが原因なのだと思う。今この場から逃げてしまったら、自分の存在を社会からドロップアウトさせてしまうという恐怖感。同僚や仲間に無責任とか裏切り者とか非難されたくないという羞恥心。そして、現実から逃げ出す自分の弱さを認めたくないというプライド。そういうのが、自分を縛り、なぜか自殺する意外に解決の手段がないように思わせてしまうのだ。自殺すれば、仕事よりも困難なことをやったという言い訳になるし、会社や上司に対する復讐にもなる。でも、死んだら負けだ。無責任と思われても、今の職場、今の人間関係を切り捨てても、生き残った方がいい。

 

ブラック企業やプライドのために命を落とすくらいなら、無責任に仕事を放り出す方を、日本人は選ぶべきだ。

 

 

例文2意見② 残業容認

 

日本では当たり前のように残業が行われ、そのために過労死してしまう人たちがいます。経営状況の厳しい中小企業などで、低賃金の過重労働を強要する会社がブラック企業などと呼ばれたりしますが、昨年には大企業の広告会社電通で起きた新入社員の過労による自殺が話題になりました。こうした日本の「働きすぎ文化」は、欧米の先進国から批判的に見られており、国内でも日本の労働文化を変えて残業を無くしていくべきだという意見は多く、企業も国も改革に取り組む姿勢を見せています。でも、残業は本当に「悪」なんでしょうか。

 

確かに、自殺を決断させるほどのパワハラによる時間外労働の強要は許せません。収入の問題とか、職場の人間関係とか、自分のプライドとか、いろいろ事情はあるのでしょうが、そんなに追い込まれてしまった時は、自殺などせず仕事を放り捨ててしまった方がいいと思います。しかし、誰もが残業しないで時間内に仕事を終わらせられるほど、スマートなわけがありません。また、どんなに辛くても無理な残業をすることで成し遂げられる仕事というものもあります。仕事によっては、医者や政治家など「時間がきたからハイやめます」ということが通用しないものもあります。広告会社だって顧客に合わせて仕事をしているのだから、時間通りに終わらないことがたくさんあるというのは、想像できる話です。

 

勉強やスポーツでも、ある人が1時間の学習や練習でマスターできることが、別の人には何時間や何日もかかってしまうということはよくあります。それなのに、全ての人が同じ制限時間内にやり遂げなければならないというのでは、才能のある人にだけ有利で、公平ではありません。凡人は、秀才が寝ている間に眠い目をこすって頑張るから、秀才にも勝つことができるわけです。制限時間を厳格に決めてしまったら、カメは一生ウサギに勝てません。また、手術中の医者や看護婦など、就業時間を超えたからと言って仕事をやめられない人はたくさんいて、そういう人たちの残業がこの社会の生命線を維持しているということも事実です。残業の時間制限を無理にやってしまったら、人間社会は1日で崩壊すると思います。

 

働きすぎで体や心を壊してしまうような状況や、パワハラなどの劣悪な職場環境は、国を挙げて改善していくべきだと思います。でも、残業を必ず「悪」とする改革には賛成できません。

 

 

例文1 <意見① ドロップアウト容認

 PDF16

 

 

例文2意見② 残業容認

 

PDF16b