小論文例文集

このページは中高生のための小論文の例文集です。

 

7回目は、「テレビゲーム」です。

 

問題 

「テレビゲームは健康に悪い」という考え方について、まず肯定か否定かを述べ、自分の意見に説得力を持たせるための根拠とその根拠を支える具体的な例をあげながら、自分の意見を論理的に述べなさい。

(600字〜800字)

 

参考記事

ゲームが子どもに与える影響とは?心理学専門家による講義が東京大学で開催 - 電撃オンライン (dengekionline.com)

 

 

序論

[一段落目] 話題の導入&問題提起

 

本論

[二段落目] 対立する意見への譲歩&自分の意見の提示

 

[三段落目] 意見の展開(自説の根拠・理由)

 

結論

[四段落目] 文章の締め・まとめ

  

 

例文1 <テレビゲーム 肯定派>

 

プレイステーションやWIIといったテレビゲーム、PSやDSといった携帯型ゲームの分野において、日本は世界をリードするゲーム大国です。マンガやアニメとともに、日本はこの文化の発展に人類史上最大の貢献をしてきたと言っていいかもしれません。ということは、もしもゲームが健康に悪い麻薬のようなものだったなら、その人類社会に対する責任も極めて大きいということになります。ですが、ゲームは決して麻薬ではありません。

 

確かに、ゲームは人間を夢中にさせます。ひとたびゲームを始めるとなかなか止められず、夜更かしをして寝不足になることがあります。成長期の十代の身体には、間違いなく悪い影響を与えるでしょう。また、ゲームをやりすぎると、目が悪くなる可能性もあります。残虐で暴力的な映像など、精神に及ぼすゲームの悪影響が、少年犯罪の原因として取り上げられることもあります。しかし、これら心身の健康に関わる問題は、ゲームだけに特有なものとは言えません。

 

夢中になってやめられなくなる麻薬性を持ち、目を悪くさせ、場合によってはゲーム以上に残虐で暴力的な内容を持ち、精神により強烈な影響を与えるものの筆頭として、読書を挙げることができます。面白い小説は朝まで読み続けてしまいます。夜はついつい暗いところで文字を追って目に負担をかけてしまいます。また、本はゲームほどコストを掛けずに残虐性・暴力性の強い描写ができます。しかも、読者自身の想像力を使用している分、ゲームよりも精神に対する影響力は直接的です。このように、人類の伝統文化と言える読書には、既にゲーム以上に心身の健康を悪化させる要素があるわけです。ゲームを麻薬として非難するなら、まずは読書の禁止から始めるべきでしょう。

 

魅力のあるレジャーを、魅力があるからという理由で麻薬のように見なすことはできません。本もゲームも、没頭し過ぎないように自制して楽しめば、人生をより豊かなものにしてくれるはずです。

 

 

例文2<テレビゲーム 否定派>

 

私はあまりゲームをやらない。やるとしても携帯のアプリを少し覗いてみる程度で、のめりこまないようにしている。いったんのめりこんでしまうと、やめたくてもやめられなくなった経験があるからだ。でも、やらなくなってみると、意外にゲームなど無くてもよくなる。今の世の中にはゲームがたくさんあり、その制作はクリエイティブな仕事と認められている。それはそれでいいと思うのだが、ゲームにはやっぱり害もあると私は思う。

 

確かに、最近のゲームの発展は目覚ましいものがあるらしく、3D画像やバーチャルリアリティ、オンラインゲームやGPSを使ったゲームなどは、最新技術を使いつつ、ゲームの方が現代技術の発展を促進しているらしい。ゲームで生まれた技術が、医療や教育に転用されていくということがあるそうだ。しかし、ゲームには精神的にも肉体的にも、健康を害してしまう面は確実にある。

 

よく、暴力的な内容のゲームが子供の成長に悪い影響を与え、少年犯罪を助長すると言う人がいる。でも、暴力表現は映画や漫画や文学にもあるし、そういうゲームを子供にやらせなければいいだけなので、私はあまり問題だと思わない。私が怖いと思うのは、それほどゲームに興味がある人間でなくても、一度始めてしまうと、クリアするまでなかなかやめられなかったり、クリアしていないと、やり残している宿題を抱えたままのような、妙な罪悪感みたいなものを背負わされたりしてしまうところだ。ゲーム内の色んな課題を解決すれば、それなりに快感はあるのだけど、やっていて本当に楽しんでいるのかよく分からなくなる時がある。他にやるべきことがあるのに、クリアしないうちは気持ちがスッキリせず、他のことに集中できなくなる。他にもそういうものはあるだろうが、ゲームの場合、そういう変なサイクルの中に、実に手軽に取り込まれてしまうから怖い。

 

ゲームには反射神経や動体視力を向上させたり、問題解決能力を高めたりする面もあるらしいから、親などの大人がきちんと管理すれば、特に子供にとって悪い事ばかりでなく、いいこともたくさんあると思う。だが、大人自身が自分を管理できなくなるほどゲームにはまってしまうこともあるようなので、私はできるだけやらないようにしている。

 

 

例文1 <テレビゲーム 肯定派>

 

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例文2<テレビゲーム 否定派>

 

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