小論文例文集

このページは中高生のための小論文の例文集です。

 

10回目は、「保育園、待機児童問題」です。

 

問題 

保育園落ちた日本死ね!」のブログを読んだ上で、待機児童、保育所・保育士不足の問題について、自分の意見を書きなさい。

(800字〜1000字)

 

ブログ本文

保育園落ちた日本死ね!!! (hatelabo.jp)

 

 

序論

[一段落目] 話題の導入&問題提起

 

本論

[二段落目] 対立する意見への譲歩&自分の意見の提示

 

[三段落目] 意見の展開(自説の根拠・理由)

 

結論

[四段落目] 文章の締め・まとめ

  

 

例文1 <保育園、待機児童問題@

 

二〇一六年の二月、インターネットに匿名で投稿された「保育園落ちた日本死ね!」という記事がネットを中心に話題になり、国会でも取り上げられて大きな騒動になりました。日本では今、子供を保育施設に入れたくても定員オーバーで入れない待機児童問題というのがあります。今回のネットの投稿も、子供を保育園に入れられなかったお母さんが、そんな現状の日本社会に対して抗議の気持ちを表して書いたものでした。「日本死ね」という表現が過激だったため反感を抱く人もたくさんいましたが、同じ境遇の女性を中心に多くの共感を得たわけです。

 

確かに、「日本死ね」という表現は過激だし、最初に聞いた時は僕も反感を抱きました。僕は日本人なので、「日本死ね」というのは僕にも死ねと言っていることになり、知らない人にそんなことを言われるとムカつきます。しかし、口では少子化対策や女性の活躍できる社会の推進などと言いながら、実際には子育てと仕事の両立を妨げるような待機児童問題を解決しなければ、日本はいつか本当に死んでしまいます。ですから、「日本死ね」という表現は、このままだと将来「日本死ぬよ」というメッセージとして受け止めるべきだと思います。

 

子供ができてもその子供を保育園などに預けられなければ、お母さんは仕事ができません。最近は、お父さん達の給料も少なくなったそうなので、共働きでなければ生活できません。こうなると、子供を作ったら生活できないということになり、結婚しても子供を作らない夫婦が増えてしまいます。その結果、子供はいなくなり、日本は死にます。日本の死を防ぐためには、待機児童を無くさねばなりません。話によると、給料や労働条件の悪さから、資格を持っているのに保育士として働いていない潜在保育士が60万人以上もいるそうです。僕は、消費税を上げてもいいので、保育士の給料や労働条件を改善して、とにかく子供を預けられる人員を増やすべきだと思います。また、同様に税金を使って保育園を無料にし、子供を作りやすくすることも必要だと思います。

 

日本を死なせないためであれば、消費税が上がっても仕方がないと思うので、急いでこの対策を実施してほしいです。

 

 

例文2保育園、待機児童問題A

 

子供を保育園に入れられなかった母親が、その恨みをネットに訴え、それが国会でも取り上げられるほど話題になった。「一億総活躍社会と言ったって、保育園に子供が預けられなければ活躍できない。国は無駄なことに税金を使っていないで児童手当を増やし、保育園を増やし、母親が働きながら子供を育てられる環境をもっと整えろ。でなければ、少子化なんて改善されるわけがない。」そんな訴えが共感を呼び、「日本死ね」など表現の悪さについて与党議員などから批判があると、国会前で「保育園落ちたの私だ」というプラカードを持った人たちが抗議行動をした。テレビでも、この母親に共感する報道が盛り上がっていた。

 

収入の少ない夫婦は共働きしなければならず、子供を預けなければならないのにそれができないなら、どうやって子育てすればいいのかと、国に怒りを向けたくもなるだろう。産みたいのに育てられない社会は、矛盾している。では、この母親は本当に暮らしに困っているのだろうか。彼女の投稿には、児童手当を数千円しかもらっていないという内容の話が書かれている。でも、児童手当が数千円だけということは、夫婦どちらかの年収が900万円以上で、所得制限を受けている金持ちということだ。この母親は暮らしに困っていない。保育園に預けなくても自分で育てられる。ただ、子育てよりも、自分が輝くことを優先したいだけなのだと思う。

 

政府は数年前から新制度を整えて本格的に保育所を増やし、サービスメニューの多様化を活発にさせた。その結果、保育利用申請者の数は以前よりむしろ大幅に増えている。待機する家庭の数も増えてしまったが、それ以上に利用できる人が増えたのだ。保育園というのはもともと、親が仕事をしなければならない家庭の子たちを預かるためにある施設だったそうだ。「日本死ね」と投稿した女性は、自分で育てられる。きっと、給料以上に保育費がかかっても子供を預け、自分の輝ける環境を持っていたいのだろう。それなら、初めから子供など作らなければいいと思う。もしかしたら、本人も子供なんて産まなければよかったと思っているのかもしれない。それならそれでいいと思う。私も子供なんて産みたくないから。

 

子供を作りたいのに作れる環境が無いとよく言う。でも少子化って、本当は、子供を産みたくない女が増えたってことに過ぎないと思う。少なくとも、私はそうだ。

 

 

例文1 <保育園、待機児童問題@

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例文2保育園、待機児童問題A

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